クリスチャン・ベール(CB)の出演作を、公開年順にまとめました。
子役時代から現在に至るまで、役柄もジャンルも振れ幅が大きく、その都度まったく違う顔を見せてくれる俳優です。
この記事では、作品ごとに「あらすじ」「ジャンル」「どんな人向けか」を、レビューとともに整理しています。気になる作品があれば、気軽に拾い読みしてみてください。
※実際に視聴した作品をもとにまとめており、すべての出演作を網羅したものではありません。
- 1980年代
- 1990年代
- 2000年代
- Shaft(2000)シャフト
- American Psycho(2000)アメリカン・サイコ
- Captain Corelli’s Mandolin(2001)コレリ大尉のマンドリン
- Laurel Canyon(2002)しあわせの法則
- Equilibrium(2002)リベリオン
- Reign of Fire(2002)サラマンダー
- The Machinist(2004)マシニスト
- Harsh Times(2005)バッドタイム
- Batman Begins(2005)バットマン ビギンズ
- The New World(2005)ニュー・ワールド
- The Prestige(2006)プレステージ
- 3:10 to Yuma(2007)3時10分、決断のとき
- Rescue Dawn(2007)戦場からの脱出
- I’m Not There.(2007)アイム・ノット・ゼア
- Batman: The Dark Knight(2008)ダークナイト
- Terminator Salvation(2009)ターミネーター4
- Public Enemies(2009)パブリック・エネミーズ
- 2010年代
- 視聴方法
- おわりに
- おすすめの記事
1980年代
Empire of the Sun(1987)太陽の帝国
第二次世界大戦下、上海で暮らしていた少年が収容所生活を経験し成長していく。
【歴史・戦争】戦争を子どもの視点で描いた人間ドラマが好きな人向け。
見ない理由がいっぱいあって、見るつもりはなかったけれど、観てみたら…全部ごめんなさい、私が間違ってました。見てよかったです。
少年時代のCBが圧倒的で、大人たちがこの子役をもてはやした理由がよくわかる。長尺だけど全く長く感じなかった。
1990年代
Newsies(1992)ニュージーズ
新聞売りの少年たちが、不当な条件に抗議してストライキを起こす。
【ミュージカル】群舞とエネルギーのある作品が好きな人向け。
1899年NY。新聞を売る貧しい少年たちが、卸値を釣り上げる新聞社のオーナーたちに、立ち向かっていく。実話を元にしたミュージカル。
CBは「ミュージカルはキライ」らしいけど、この仕事のためにハードなレッスンをこなしたとか。
Swing Kids(1993)スウィング・キッズ
ナチス政権下のドイツで、音楽を愛する若者たちが体制と対立していく。
【歴史・戦争】体制と音楽の対立を描く青春ドラマが好きな人向け。
ナチス政権下で音楽を愛する若者たちの話。重いテーマだけど、CBが若くてやんちゃで可愛らしい。スウィングダンスって、あんなにアクロバティックなんだね。楽しそう。
Prince of Jutland(1994)
王位継承を巡る陰謀の中で、父を殺された王子が狂気を装いながら復讐の機会をうかがう。
【文芸・古典】古典悲劇をベースにした重厚な物語が好きな人向け。
ケイトは微笑んでいるだけの役だったけれど、CBは狂気を装う役で、ニワトリになったり馬に逆向きに乗ったりといろいろやらされてます。かわいいかよ、と思ってしまった。
Little Women(1994)若草物語
南北戦争時代のアメリカで、四姉妹がそれぞれの成長と恋、家族との関係に向き合う。
【文芸・古典】姉妹の成長と選択を描いた文学原作が好きな人向け。
子どもの頃は途中で挫折した物語だけど、大人になってから見ると面白さがよくわかる。CBにとって転機となった作品というのも納得。ローリーがジョーにプロポーズするシーン、2人がキスしたあと糸引いてない?
The Portrait of a Lady(1996)ある貴婦人の肖像
若い女性が遺産と結婚を巡り、周囲の人間関係に翻弄されていく。
【文芸・古典】19世紀ヨーロッパを舞台にした人間ドラマが好きな人向け。
19世紀を舞台にした文芸作品で、正直よくわからなかった。CB目当てでも退屈だったけれど、登場シーンの存在感はさすが。
少年時代からマルコヴィッチに振り回される役どころが続くのも面白い。
Metroland(1997)
結婚し子どもを持つ男性が、旧友の訪問をきっかけに若い頃の理想と現在の生活を振り返る。
【人間関係】人生の選択と距離感を描いた静かなドラマが好きな人向け。
男って子どもよね、と思わされる話。安定した家庭と仕事を手に入れたクリスが、昔の友人トニの登場で、若い頃の自分と現在の自分を比べてしまう。お互いに相手の人生を羨ましく思っているのが切ない。ないものねだりの物語。
Velvet Goldmine(1998)ベルベット・ゴールドマイン
架空のグラムロック・スターの失踪を追う記者が、音楽界の虚像と実像に迫っていく。
【アート×虚構】世界観重視のアート寄り作品が好きな人向け。
新聞記者役と聞いていたけれど、まさかのゲイの記者。きわどいシーンに多少の衝撃はありつつ、ショービズ界と時代背景に距離を感じて、少し引いた視点で見てしまった。
トニ・コレットとは、この共演がきっかけで仲良くなったのかな、と思ったり。
Mary, Mother of Jesus(TV 1999)ジーザス
イエスの誕生から死と復活までを、母マリアの視点を中心に描く。
【歴史・戦争】聖書の物語を人物中心で描いた作品が好きな人向け。
原題のほうが内容に合っていると思う。マリアの人生を軸に、イエスの誕生から復活までが描かれる。
宗教的な正解がわからないまま見終わってしまった。
A Midsummer Night’s Dream(1999)真夏の夜の夢
妖精の魔法によって、若者たちの恋愛関係が混乱に陥る。
【文芸・古典】シェイクスピア喜劇を軽やかに楽しみたい人向け。
古典喜劇。若い恋人たちのシーンは完全にコント。俳優たちが真剣に演じているので余計に可笑しい。
2000年代
Shaft(2000)シャフト
刑事殺害事件をきっかけに、刑事と被告人の対立が激化していく。
【クライム】王道の刑事ものを現代的に楽しみたい人向け。
リメイク作品。シャフトのおじさん役で出ているリチャード・ラウンドトゥリーが演じて、大ヒットしていた黒人警官がヒーローっていうお話。
CBは、アメリカン・サイコのあと、悪役続きだったのでこの役はやらないつもりだったらしいが、トニ・コレットの本読みに付き合っているうちに、「この役なら、自分にできそうだな」って思って出演することにしたとか。演技力や役作りもさることながら、役が固定されないように配分も意識しているのだなと感心した。
American Psycho(2000)アメリカン・サイコ
エリート社会に生きる投資銀行員が、次第に現実と妄想の境界を失っていく。
【サイコ系】ブラックユーモアの効いた心理映画が好きな人向け。
怖い話だと思って避けていたけれど、実際はブラックコメディ。インタビューを見ていたら、スクリプトを読むまで、CBもそう思っていたらしい。
潔癖症で血まみれを嫌うパトリック。逃げ口上に「ビデオテープを返しに行く」というのだけど、潔癖症でもレンタルビデオは平気なのかと思うと妙に可笑しい。
Captain Corelli’s Mandolin(2001)コレリ大尉のマンドリン
第二次世界大戦下のギリシャで、若い女性が婚約者と占領軍将校の間で揺れ動く。
【歴史・戦争】戦時下の恋と選択を描く物語が好きな人向け。
戦時下のギリシャを舞台にした三角関係。音楽を愛する、陽気なイタリア兵コレリ。漁師で学はないが、国のために激戦地へ赴き、国のために戦うギリシャの青年マンドラス。学がないマンドラスがあまりにも不憫な話。
CBの存在感は画面の端にいても際立っていた。ペネロペ・クルスの演技の評価が高いのが不思議だった。
Laurel Canyon(2002)しあわせの法則
自由奔放な音楽プロデューサーの母と暮らす青年が、恋人との関係に葛藤を抱く。
【人間関係】距離感のズレが気になる大人向けのドラマが好きな人向け。
三度目の挑戦でようやく最後まで見られた作品。奔放な母のもとで育ったサムが、理想の女性に固執しながらも別の女性に惹かれていく。
ラストは予想外の着地で、連ドラのような終わり方に驚いた。こ、これは…新しい(笑)。
Equilibrium(2002)リベリオン
感情を抑制する社会で、政府の執行官が体制に疑問を抱き反旗を翻す。
【SF】近未来ディストピアが好きな人向け。
第3次世界対戦のあと、2度と戦争を起こさないということを目的に、感情を持つことを禁じた国家が作られた。
ガタカのような雰囲気とマトリックスのような衣装とアクションをミックスしたようなチープな設定だけど、アクションがとにかくかっこいい。無敵すぎるガン=カタと、走る姿の美しさが忘れられない。
Reign of Fire(2002)サラマンダー
ドラゴンによって文明が崩壊した世界で、生き残った人類が反撃を試みる。
【SF】荒唐無稽な設定を勢いで楽しめる作品が好きな人向け。
荒唐無稽だけど楽しい。2020年地球はドラゴンの大繁殖により人類は滅びかけていた、という設定だけで笑えるし、最終的に弓矢一本で決着がつくのも最高。CBのダース・ベイダーは必見。
The Machinist(2004)マシニスト
1年間寝ていない男の話。重度の不眠症に悩む工場労働者が、自身の過去と罪に向き合っていく。
【心理系】内面崩壊を描く心理映画が好きな人向け。
噂どおりの激痩せがすべてを持っていく。ストーリーも面白いけれど、体そのものが語っている映画。途中の、ハングマンでは、MILLERの時点で、そこはKILLERだろ!と突っ込むこと間違いなし。
Harsh Times(2005)バッドタイム
戦争から帰還した男が警察官になることを目指しながら、暴力と犯罪の世界に足を踏み入れていく。
【心理系】精神的に追い詰められていく話が好きな人向け。
とにかく後味が悪い。戦争帰りのジムが社会に馴染もうとするものの、すべてが空回りしていく。堅気の仕事を目指しながら、同時に犯罪に手を染める矛盾が痛々しい。最後は予想通り悲惨で、なぜか彼に白人の友人が一人もいないのも印象に残った。
Batman Begins(2005)バットマン ビギンズ
両親を失った青年が修行を重ね、バットマンとしてゴッサムを守る存在になる。
【ヒーロー】誕生譚としてのダークなヒーロー像が好きな人向け。
バットマン誕生までの過程を描くのがとにかく楽しい。苦悩するヒーロー像や、アルフレッドとの関係性が良い。
マシニストの直後だったので、「バットマンになるならもっと太らないとイメージに合わない」と監督に言われ、あわてて太ったら100kg超になってしまった。「それじゃバットマンじゃなくて、ファットマンだ」とスタッフにも呆れられ、撮影開始前までに、慌てて絞ったという役作りのエピソードも含めて、CBという俳優を知るうえで欠かせない一本。
The New World(2005)ニュー・ワールド
新大陸開拓期、先住民の女性とイギリス人男性の関係を通して文化の衝突が描かれる。
【歴史・戦争】異文化の衝突と出会いを描く歴史ドラマが好きな人向け。
映像は美しいけれど、人間のやることは400年前も今も変わらないのだなと感じた。種から再現するこだわりを知ると、見え方が変わる作品。
The Prestige(2006)プレステージ
二人の奇術師が互いに対抗しながら、命を懸けたマジックに執着していく。
【サイコ系】ブラックユーモアの効いた心理映画が好きな人向け。
ゾッとする話。マジックにとりつかれたライバル同士のマジシャン。命をかけてマジックに挑む2人。1人は自分の命をかけ、1人は他人の命をかける。
マジックのトリックと、ストーリーのトリックの2WAYで楽しめる。
テスラ役がデヴィッド・ボウイだっていうことは言われるまで気づかなかった。わかった上でみてもやっぱり違う人みたい。
3:10 to Yuma(2007)3時10分、決断のとき
強盗犯を列車で刑務所へ護送する任務を引き受けた農夫が、道中で次々と試練に直面する。
【西部劇】男同士の信念と駆け引きを描いた物語が好きな人向け。
囚人を列車に乗せる護送任務の話だけど、友情というよりも、男同士の奇妙な引力の物語。よく喋るベンと寡黙なダン。ベンがダンに惹かれていく理由がわかる気がする。主役は囚人かもしれないけれど、物語を動かしているのはダンだった。
Rescue Dawn(2007)戦場からの脱出
ベトナム戦争中、捕虜となった米軍パイロットが仲間とともに脱出を計画する。
【実話】極限状況での生存と脱出を描いた作品が好きな人向け。
捕虜収容所からの脱出と、その後のサバイバル演出がとにかくリアル。誕生日を祝うシーンが伏線になっていて、ラストの救出が胸に残る。
I’m Not There.(2007)アイム・ノット・ゼア
複数の人物像を通して、ミュージシャンの人生と創作の本質が断片的に描かれる。
【アート×虚構】実在の人物を抽象的に描く作品が好きな人向け。
Batman: The Dark Knight(2008)ダークナイト
犯罪者ジョーカーの出現により、バットマンとゴッサム市警が極限の選択を迫られる。
【ヒーロー】善と悪の境界を突き詰めた重厚な物語が好きな人向け。
正直、完全に舐めていた。ヒーロー映画の枠を超えた完成度で、アクションも物語も素晴らしい。バットマンが使用するアイテムの数々。これがとてつもなく魅力的。特にポッドがカッコよすぎ。あれが実在していて、ちゃんと走るっていうのがすごい。
Terminator Salvation(2009)ターミネーター4
人類と機械の戦争が続く未来で、抵抗軍と謎の男が人類の運命を左右する戦いに巻き込まれる。
【SF】シリーズ世界観の中で戦争描写に寄った作品が好きな人向け。
懐かしの存在も登場。「観客に笑われないように気をつけて作成したシーン」ということだったけど、笑うってあれは。絶対に(笑)。
CBが現場でブチ切れたことで有名だけど、メイキングを見ると監督との相性も含めて納得してしまう。CBは「ヤバイって言われる仕事ほど引き受けたくなる」って言ってたけど、もしやこれも…
Public Enemies(2009)パブリック・エネミーズ
1930年代アメリカで、銀行強盗ジョン・デリンジャーと捜査官たちの攻防が描かれる。
【クライム】実在の犯罪者と捜査側の攻防を描く作品が好きな人向け。
二度目で完走。ジョニー・デップ目当てで見始めたけれど、CBの存在感が強すぎて、ジョニーが小者に見えてしまうのがつらい。役作りのために距離を取っていたという話も含めて興味深い。
2010年代
The Fighter(2010)ザ・ファイター
家族問題を抱えるボクサーが、兄との関係を修復しながら世界王者を目指す。
【実話】家族との関係を抱えながら再起を目指す物語が好きな人向け。
エンドロールで実在モデルが映し出され、キャストがかなり寄せていることがわかる。
Dark Knight Rises(2012)ダークナイト・ライジング
テロにより引退したバットマンが、再びゴッサムの危機に立ち向かう。
【ヒーロー】シリーズ完結編としての再生の物語が好きな人向け。
CBがディカプリオをライバル視しているという話が頭をよぎる。今となっては必要ないと思うけれど、当時は切実だったのかもしれない。
American Hustle(2013)アメリカン・ハッスル
詐欺師とその恋人がFBI捜査官と手を組み、政治家を巻き込んだ大規模なおとり捜査に関わっていく。
【クライム】70年代アメリカを舞台にした群像クライムが好きな人向け。
冒頭から衝撃のシーンで、CBが笑かしてくれる。キャストの奇抜な髪型ばかりが話題になっていたけれど、実際は会話と演技を楽しむ映画。派手な演出は少ないものの、オスカー俳優が揃っていて見応えは十分。ストーリーに強烈な一撃はないけれど、「これが現実だよね」と思わせる展開で最後まで飽きなかった。
Exodus: Gods and Kings(2014) エクソダス:神と王
エジプトで育ったモーセが自らの出自を知り、兄弟同然だった王ラムセスと対立しながら、ヘブライ人を率いて脱出を試みる物語。
【歴史・戦争】史実や神話を人間ドラマとして描いた作品が好きな人向け。
圧倒されました。モーゼといえば十戒と海が割れるくらいのイメージしかなかったけれど、期待以上だった。とにかくエジプト人たちが散々な目に合わされる話で、「10の奇跡」と言われつつも、ひたすら災厄が降りかかる。悪いのは王なのに、とばっちりを受ける人たちが気の毒で、まさに天罰の連続。クライマックスの海のシーンは、割れる瞬間よりも戻ってくる迫力の方が印象に残った。余韻に浸れる映画。
視聴方法
配信中の作品一覧
おわりに
変幻自在でストイック。役者になるために生まれてきたような人だな、とあらためて感じました。
どの作品も魅力的。一方で、プライベートを大事にしている様子も見受けられミステリアスな一面もあります。
出演作が多く、日本では視聴が難しいものもありますが、機会があればまた追いかけてみたいと思います。




