「Major Crimes」から観始めたあなたは、「The Closer」でFIDのシャロンがどんなふうに関わってきたのか、気になっていませんか?
一方、「The Closer」から観ていたあなたも、シャロンは最初から気になる存在だったけれど、ブレンダが主役の物語だったから、彼女の登場シーンをあまり覚えていないのでは?
この記事では、そんなシャロン・レイダーを軸に『The Closer』を振り返る試みとして、彼女が登場する全話を時系列でピックアップ。「Major Crimes」へとつながるまでの変化や伏線を、ブレンダとの関係性の変化とともに追っていきます。
ブレンダ VS シャロン
目的のためには手段を選ばないブレンダと、正攻法で結果を出すシャロン。まるで火と水のような2人だけれど、どちらも「正義」と「情」を持った強い女性。あなたはどっち派でしょうか。
では、シャロン・レイダー登場回から一気に振り返りましょう!
The Closer/クローザー シーズン5
シャロン・レイダー、FIDとしての戦いの始まり(3話)
5‑3 Red Tape/赤い規制線
シャロン初登場回。ここからすべてが始まる。
タイトルの「Red Tape」は、シャロン率いるFIDが現場に張る赤いテープのこと。ブレンダたち重大犯罪課の黄色いテープとの“縄張り争い”が勃発し、現場は一触即発。ブレンダが赤テープを引きちぎるたびに、2人の火花が散る。
しかしこの初対決、シャロンのほうが一枚上手。階級差を盾に食い下がるブレンダの姿が、ちょっと虚しいんだけどおかしくもあり。ライバル関係がワイルドで痛快。キャラ立ちとテンションの両面で、名刺代わりの登場回。
5‑7 Strike Three/翻る半旗
この回はフリンがシャロンに敵意むき出し。怒りながら詰め寄るシーンが連発される。
しかし、後の関係を知ってから観ると、すべてが伏線に見えるという味わい深さ。あのケンカ腰のやり取りが、時間を経てああなるとはね……としみじみしてしまう。再視聴おすすめ度、かなり高めの回。
5‑15 Dead Man’s Hand/死者は語る
シャロンとブレンダが共闘(?)する、ある意味で初タッグ回。
価値観は違えど、どちらも「仕事ができる女たち」だから、やるべきことはサクサク進む。ガチンコというより、静かにぶつかり合う感じ。プロ同士の無言の信頼感みたいなものが、ちょっとだけ芽生えてる。
淡々としたやり取りのなかに、妙な心地よさがある。これも「のちの絆」を感じさせる回。
The Closer/クローザー シーズン6
シャロン・レイダー、立ち位置の揺らぎとアクセント(4話)
6‑2 Help Wanted/不条理な排斥
突然ブレンダのもとに現れたシャロンが、彼女の過去の経歴を根掘り葉掘り。さらに、捜査現場にも付きまとってくる。ブレンダは「また監視か」と嫌気がさしつつも、どうやらポープの本部長昇進絡みの身辺調査らしいと察して、仕方なく協力。
ところが、真相はまったく逆。
シャロンは、なんとブレンダを本部長候補として推薦しようとしていたのだ。自ら捜査スタイルを確認し、推薦状まで書いていたシャロン。あまりにも予想外すぎて、ブレンダの戸惑いようがすごい。視聴者も「え、シャロンがそこまでやるの?」と驚くはず。
シャロンの“ただの敵”ではない側面が、ここでチラ見えする。
6‑9 Last Woman Standing/最後に残った女
シャロンの上昇志向と信念が浮き彫りになる回。
昇進を渋るブレンダに対して、なだめたりすかしたり、おだてたり…とあの手この手でアプローチ。押しつけがましくはないけれど、「自分のためでもあり、ロス市警の女性全体のためでもある」というシャロンの信念が見える。
しかも、ブレンダにファッションアドバイスするシーンまで!
クールな印象のシャロンが、女子トークで攻めてくるという意外性。地味に見どころ。
6‑11 Old Money/フリンの受難
アンディ・フリンが発砲してしまう事件が発生。捜査にあたるのは、もちろんFIDのシャロン。
これまで敵視していたはずのシャロンが、急に重大犯罪課に協力的な姿勢を見せ始める。ブレンダも他のメンバーも、少し戸惑い気味。
ラストでは、シャロンがブレンダを「仕事の話」と言いつつもランチに誘う。なに?なに?
6‑13,14 Living Proof: Part One/終わらない悪夢(前後編)
クリスマス・イブの悲劇。現場に駆けつけた警察車両が、なんと被害者を轢いてしまう事故が発生。
当然呼ばれるのは、FIDのシャロン。家族と過ごすはずだった計画は吹き飛ぶ。
とはいえ、それは重大犯罪課メンバーも同じ。でも、シャロンにとっては “身内の無実を証明する” ことが任務。仕事を早く終わらせようとするも、そう簡単にはいかない。
しかも、LAに突如やって来たブレンダの両親に「友人」と紹介されたりして、いつもと様子が違うシャロン。妙なテンション。
でもこの回で垣間見えるのは、「仕事人間」じゃなくて、“家庭を大切にするシャロン”という新しい顔。Major Crimesで描かれていく彼女の私生活のたねが、ここにある。
The Closer/クローザー シーズン7
シャロン・レイダー、レギュラーとしての飛躍(18話)
7‑1 Unknown Trouble/忠義心とプライド
被害者遺族(ギャング)にブレンダが訴えられる。LAPDは裁判に備えて、シャロンにこの件の調査を任命する。
7‑2 Repeat Offender/悪い癖
シャロンは忠誠と正義の狭間で揺れる。
シャロンはブレンダとの友好関係を築きつつあったのに、腹黒ポープの命令で、ブレンダの告訴に関する内部調査を意に反して続けなければならない。ひとり悪者状態でかわいそう。
7‑4 Under Control/保護責任
シャロンが重大犯罪課に常駐し始める回。
ブレンダのためを思って、民事訴訟に備えて弁護士をつけるように説得するシャロン。シャロンはこの一件で、重大犯罪課のメンバー全員と面接し、図らずも彼らの能力を把握することになる。
7‑7 A Family Affair/家族の問題
内部リークの可能性が浮上。
シャロンはブレンダと話をする。ブレンダの話を聞いたシャロンは、重要なことを彼女に告げる。情報がリークされていると。つまり身内に密告者がいるのではないかと。
7‑8 Death Warrant/密告者
シャロン大活躍。まるで重大犯罪課のもうひとりのメンバーのよう。自分の仕事もし、ブレンダのフォローもし、重大犯罪課の容疑者も逮捕しちゃった。
7‑9 Star Turn/スターへの道
事件と並行して、シャロンの信頼が少しずつメンバーの中に芽生え始める。
ブレンダを陥れても保身に走ろうとするポープに対し、宣戦布告のシャロン。今後の敵の一人である悪徳弁護士ゴールドマンとも初対戦。
7‑10 Fresh Pursuit/新たな闘い
シャロンとブレンダの絆が深まったエピソード。裁判も無事勝訴!と喜びもつかの間、事は更に悪い方向へ。
7‑11 Necessary Evil/必要悪
おっと、シャロンのショットからスタートです。重大犯罪課の子守につかれたシャロンは、ポープに退職を申し出る。”自分を歓迎してくれる職場で働きたい”と。これは密告者をあぶり出すためのブラフ。冷静にして大胆、シャロンの策略家としての一面が発揮される。
7-12〜7-14
(出演クレジットあり/登場確認できず)
7‑15 Silent Partner/ゆがんだ恩返し
ついにゴールドマンの尻尾を掴み、ブレンダへの訴えは取り下げられることになったが、”ジョンソンルール”という不名誉な規則を作られることになってしまう。ブレンダを慰めるシャロン。2人の絆がまた深まった。で、密告者の件はどうなったの?
7-16〜17 Hostile Witness~Fool’s Gold/宿敵との対決〜黄金の価値(前後編)
シャロンの登場は控えめだが、重大犯罪課と歩調を合わせる動きが強まっていく。ポープやゴールドマンとの駆け引きも注目ポイント。
ストローとの対決編。シャロンはブレンダの友人としてアドバイスする。シャロンの意向で、ブレンダと強盗殺人事件をシェアしながら一緒に捜査する。
7‑18 Drug Fiend/優秀な医師
事件を超えて、制度や運用そのものを問い直す流れが加速。シャロンの冷静さがチームの中でも頼りにされ始める。
7‑19 Last Rites/最期の言葉
いよいよシャロンが重大犯罪課のトップに就任。
ゴールドマンを制し、ブレンダの後任として皆の前に立つ姿は、最初期の「嫌われ者の外様」からは想像もできなかった成長の結晶。
そして、この回でラスティとの運命的な出会いが描かれる──新しい物語の幕開け。
7‑20 Armed Response/固められたウソ
密告者の正体が明らかに。シャロンの策が回るパズルのピース。
2回前のエピソードで唐突に登場した人物がいたのは、そういうことだったのね。
7-21 The Last Word 最終決着
Major Crimesへ繋ぐ、引き継ぎの瞬間。
シャロンは最後までブレンダを守ろうとしてた。しかし、ブレンダは自分の職を賭してフィリップ・ストローを捕えた。そして、ブレンダからシャロンへの引き継ぎ。直接ではなく、ブレンダからの手紙をポープから受け取ってシャロンはそのことを知る。ブレンダが去る時、プロベンザだけはシャロンが重大犯罪課を率いることになるのを知っているような素振りだった。シャロンとラスティはこの時に出会っている。
そして、メジャークライムへ
ブレンダの去ったあとの物語が『Major Crimes』へと受け継がれます。新たなリーダー、シャロン・レイダーの物語をどうぞ。
「Major Crimes」の一気見レビューはこちらで読めます!