マーシャル(Marshall)のスピーカー、どれを買えばいいのか。悩みますよね。
どれも同じに見える。でも、値段が違うんだから差があるはず。
実際のところ、音はどれくらい違うんだろう?
自分には聴き分けられるのかな?
結局、安いの選んで後悔したくないな。
そこで、Marshall EMBERTON III と MIDDLETON II を3週間手元においてじっくり比べました。
2台併用の聴き比べだけではなく、それぞれ単独でも使用しました。
結果を先に言うと、私が買ったのは EMBERTON III(安いほう)です。
MIDDLETON II の方が、確実に音はよかったのですが、それでも安いほうを選んだ理由が価格以外にもありました。この記事では、選んだ理由、選ばなかった理由、それぞれ深堀りしています。
選択の分かれ道 物理的な2つの条件
「これだけは譲れない」っていう条件がある場合、次のどちらかに当てはまればほぼ機種が決まります。
- 有線(AUX)入力が必須 → MIDDLETON II
- 置ける場所が狭い → EMBERTON III
①の有線入力がどうしても欲しいなら、MIDDLETON II で確定です。
②の置く場所問題は、実際のサイズ感を画像付きでこちらで説明しているので、見て判断してください。
どちらもこだわりがないのであれば、音や値段のバランスで決めることになります。
私の場合は、最初はAUXはあったほうがいいと思って探し始めたんですけど、使っているうちに絶対じゃないかもな〜と思い始め……でもそうそう買い替えるわけでもないから、多少高くても音がいいほうがいいかな〜、なんてふらふら迷っていました。
そもそも Marshall のスピーカーを調べ始めたのは、4年間愛用していた Bose SoundLink Flex の調子が悪くなってきたからでした。詳しくはこちらで。
ここからは、手持ちの Bose SoundLink Flex をベースに、EMBERTON III、MIDDLETON II の2台を比較しながら、3週間使ってみた結果をお伝えします。
必要なのは、音なのか、機能なのか、それとも価格や別のなにかなのか。
音は見事に違った
音の違いは私にもはっきりわかりました。
Bose SoundLink Flex の音と比較することでかなりわかりやすかったです。
音で選ぶなら、迷わず MIDDLETON II です。そこは3週間一度も揺らぐことはありませんでした。
その差をひとことで表現すると「クリアな音」なんですけど、イメージで言うと解像度が違うという感じです。
音の違いは粒度の差
| MIDDLETON II | ULTRA HD |
| EMBERTON III | ブルーレイ |
| Bose SoundLink Flex | DVD |
音の粒の細かさが違うんですよ。ドットが1px、2px、4pxと変わっていくような。
たとえば波の音。
Bose SoundLink Flex → EMBERTON III → MIDDLETON II の順に水滴が見えて(聴こえて)きます。
それに加えてMarshallの2台には、共通してHDRが効いているような感じがあります。奥行きと立体感。解像度とは別の軸ですね。レベルは違うのに同じ系統の音です。
DVDからブルーレイは明らかに違いがわかると思いますが、ブルーレイからULTRA HDは、DVDほどの差はないです。
デメリットがあるとすれば、音が良すぎること。
わかりやすいのは、マイク性能のあまりよくないYouTube配信をMIDDLETON II で聴いた時。音が良いゆえに、背景の雑音まで輪郭がはっきりしてきます。4K映像だと粗まで見えちゃうっていうアレです(笑)
低音の実力差
スペック上、差がはっきりしているのが低音の下限です。MIDDLETON II が45Hz、EMBERTON III が65Hz。半オクターブ以上の違いがあります。
MIDDLETON II の低音つまみを最大にした状態と、最小まで絞った状態で聴いて、そのあとSoundLink Flexを聴く。結果はこうです。
Bass最大 > Bass最小 >>> SoundLink Flex
低音を殺しても、SoundLink Flexとの差は圧倒的でした。つまりMIDDLETON II は低音がいいだけではないってことです。同じくらいの出力を持つ EMBERTON III でも同様でした。
音の大きさはW数だけではなかった
ここで、ちょっと音量の話です。
最大音量は、いうまでもなく MIDDLETON II → EMBERTON III → Bose SoundLink Flex の順ですが、受け取る印象は少し違いました。
| スペック | MIDDLETON II | EMBERTON III |
|---|---|---|
| アンプ構成 | ウーファー30W×2 + ツイーター10W×2 | 38W×2 |
| 総出力 | 80W | 76W |
| 再生周波数帯域 | 45Hz〜20,000Hz | 65Hz〜20,000Hz |
| AUX入力 | ◯(3.5mm) | ✕ |
| 重量 | 1.80kg | 0.67kg |
| 価格帯 | 52,000円〜 | 28,980円〜 |
80Wと76W。計算すると差は0.2dBほどで、人間の耳に区別できないと思っていました。
でも、両方を最大まで上げてみたら、MIDDLETON II のほうが明らかに大きい。
なんでだろう…?
たぶんなんですけど、音の大きさって音圧だけじゃなく、低音の量と一緒になって「迫力」になっているからじゃないかと。よくいう「迫力のある大音量」ってこういうことかなと思いました。人は音量と振動を同時に受け取っているので。
とはいえ、家の中で最大音量まで上げる場面って、ほとんどないんですよね。
なので屋外で鳴らす予定がないなら、音量はどの機種でも問題なさそうです。
それぞれ単独で使用した時にわかったこと
3週間の試聴パターンを説明します。

MIDDLETON II だけで7日間。8日目から EMBERTON III が加わって7日間。最後は EMBERTON III だけで7日間。
どちらも「1台だけで過ごす7日間」を設けました。片方だけを使う期間があることで「聴き比べているから優劣を感じる」のか「本当に差があるのか」を見極めたかったのです。
MIDDLETON II の音に惚れたけど、どうしてもこっちじゃないとダメだ!ともならなかったし、EMBERTON III は、同時に聴き比べればやや音は曇るけど、別に気になるレベルじゃないな、となりました。
ここで、お金の話です。
2台の価格差は約2万3千円(2026年9月時点)。3週間迷った末、私は音だけのためには2万3千円を払わなくていい、となりました。単純に安いから選んだのではなく、理由は音以外のところにありました。
置き場所と使い勝手の差
3週間で意外だったのは、音ではなく置き場所と使い勝手の違いでした。
サイズによる置き場所の確保
冒頭の分かれ道の②です。サイズ感を画像で確認してください。


| 機種 | 幅 | 奥行 | 高さ | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| MIDDLETON II | 230mm | 98mm | 110mm | 1.8kg |
| EMBERTON III | 160mm | 76.9mm | 68mm | 670g |
| Bose SoundLink Flex | 201mm | 52mm | 90mm | 590g |
MIDDLETON II の設置面積は、Bose SoundLink Flex 2個ぶん。重さも1.80kgあるので、持ち上げるたびに気合が要ります。
対する EMBERTON III は670g。片手で掴んで、部屋の中を気軽に動かせます。
EMBERTON III と SoundLink Flex の670gと590gの違いは、同時に持てば、あ〜違うなって思う程度で、1つずつ持ったときはあまり違いを感じませんでした。
置き場所を妥協していたことに気づいた
EMBERTON III は、もともと「ここに置きたいな」と思っていた場所に、すんなり置けたんです。
それまで、置き場所に不満なんてありませんでした。正確に言うと、不満に気づいていなかった。
MIDDLETON II だけの7日間は、置ける場所においていた。
でも、EMBERTON III は、置きたい場所に置けた。
この違いが意外に効いてきます。

操作性の微妙な差
カタログを眺めていてもピンとこなかった使い勝手の違いがありました。
| 機種 | 可能な操作 | 本体の表示 |
|---|---|---|
| MIDDLETON II | 電源/音量/音質/曲送り | 電池残量/音量/高音/低音 |
| EMBERTON III | 電源/音量/曲送り | 電池残量/音量※ |
| Bose SoundLink Flex | 電源/音量 | — |
Marshall の2台で大きく違うのは、本体で確認できる状態表示の種類です。
本体だけで曲送りができるのが、PCやスマホから離れた場所でYouTubeを流しているときに、地味に効く。

自動オフの時間が違う
想定外に気になったことが、自動電源オフ機能でした。
どちらの機種も、バッテリーを有効活用するため一定時間使用されないと電源が切れます。
MIDDLETON II は、しばらく鳴らさないとすぐ電源が切れます。聴こうと思うたびにボタンを押し直す。公式には10分でスタンバイ、60分で電源オフとありますが、体感ではもっと短く感じました。ちなみにこの機能は無効化できません。
EMBERTON III は、同じ使い方をしていてもなかなか切れない。こちらも公式に自動電源オフが設定されているという記載はありますが、時間数については明記されていませんでした。もしかしたら、わずかな音声にも反応してタイマーがリセットされているのかもしれません。
据え置きで使うほど、じわじわ効いてきます。聴きたいときにすぐ鳴ってほしいので、私の使い方では、MIDDLETON II だとちょっと不便を感じました。
防水性能は同じなのに行動が変わる
2台とも防水性能はIP67。数字は完全に並んでいます。Boseも同じIP67です。
それなのに、お風呂場に持っていく気持ちが違うんですよ。
| 機種 | 見た目 | 水場に持っていく気持ち |
|---|---|---|
| Marshall 2機種 | 物理ボタン+網目のグリル | 防水と書いてあっても躊躇する |
| Bose SoundLink Flex | 表面に凹凸がなくツルッとしている | 抵抗がない |
実際に Marshall 2機種をお風呂場で鳴らしてみましたが、どちらも音声が聞き取りやすかったです。
数字は壊れないことを保証してくれますが、水場に持ち込む気になるかは別の話。Marshallの見た目のよさの代償ですかね。

AUXが要るなら MIDDLETON II で決まり
冒頭の分かれ道の①です。
私はサブモニターにブルーレイをつないで観るので、当初はAUX有りを条件に入れていました。その点も検証しています。
最初に繋いだときは感動しました。「この音で映画観られるのサイコーでしょ」って。
その気持ちは今も変わらないのですが、ブルーレイを観る回数って、年に数回なんです。ということで、手が止まりました。
もっと頻度が高ければ、おそらく MIDDLETON II を選んでいました。それくらい音はよかったです。
EMBERTON III を選んだ理由
3週間使って、決め手になったのは、音ではなく使い勝手のほうでした。
EMBERTON III を選んだからといって、MIDDLETON II の魅力が消えたわけではありません。音だけで選んでいたら、MIDDLETON II を買っていました。将来もう1台足す日が来る気はしています。
MIDDLETON II を選んだほうがいい人
条件が違えば、答えも変わります。
有線でつなぐ予定があるなら MIDDLETON II 一択。
音量差があるので屋外や広い場所で鳴らす人もこちらをおすすめします。
あとは、置き場所を固定できる人。据え置きなら重さも大きさも欠点になりませんし、音の良さの差は毎日積み上がっていきます。映画を観るときの臨場感は、20万クラスのプロジェクターより良いくらいでした。
おわりに:買い替えたきっかけ
そもそも、なぜ買い替えたのか。
スピーカーの故障シグナルは意外なところから
4年使ったBoseのSoundLink Flexが、謎のビープ音を発し始めたからです。
「ピポ・ポピ、ピポ・ポピ、…」を繰り返して止まらない。取説見てもネット検索してもヒットしない謎の現象。
ようやくわかった原因は、バッテリー劣化でも、スピーカーの不調でもありませんでした。充電口が壊れはじめていたからでした。
スピーカーとしてはいまも普通に鳴ります。バッテリーも元気です。
でも、ケーブルを挿す角度にコツが要るようになって、充電が始まらない日が出てきた。
厄介なのは、調子のいい日もあること。だからなかなか買い替えの決心がつかなくてずるずる先送りになってました。
給電口はここ1か所のみ。ここが完全に死んだら、バッテリーが無事でも終わりです。

同じ症状が出ている方は、こちらの記事を買い替えの判断基準の参考にしてください。
4年前にBoseを買ったときも、私は本気で感動しました。
その後ずっと気に入って使ってきたし、故障しなければほかを見ることもなかったと思います。だから、もしあなたがいま使っているスピーカーに不満がないなら、それも正解だと思います。
でも、ちょっとでも興味があったら1ランク上のスピーカーを検討してみるのはありです。QOL爆上がりする可能性もぜんぜんあるので。
最後に、最初の不安に戻ります。
安いほうを選んで後悔したか。していません。音で選ぶなら MIDDLETON II、使い勝手で選ぶなら EMBERTON III。私は暮らしに馴染む使い勝手のほうを選びました。




